しがない高校生の雑多ブログ

鉄道、カメラとか色々の備忘録のような何か

Fujica 35-EEのレンズ摘出&デジタル運用

私の愛用しているフィルムカメラ、Fujica 35-EEのレンズを摘出してミラーレス一眼につけよう、とを画策してしまいました。沼の底までお願いします。

 カメラについての詳しい説明などはこちらでしています。

jnr583-n1.hatenablog.jp

このFUJINON 4.5cm F1.9ですが、かなり画質いいんです。実際当時のカメラ雑誌では、ライカのズミクロンと並ぶ画質を叩き出したとの記述があります。これは現代のカメラでこの輝きを甦らせるべきなのでは、ということでまずはカメラを調達。メルカリデビューしました。
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やったぜ。状態などは説明文の通りでした。何より安かったです。感謝。

もともとこのカメラは今使っているFujicaが所々修繕必要になってきたので部品取りとして買ってきたものです。レンズは幸い何も不具合を起こしていないので本来なら余るところ。思う存分料理していきます。

ちなみにもう一台買ってます。もう一回遊べるドン!

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ということでレンズを取り出しました。

実は10時間くらいかかりました。慣れない作業でマイナスドライバーにも苦しめられました…工程の写真もまともに撮っていないので割愛。

ちなみに実測値ですが今後このようなことをされる方のため(と自分のメモ)のために各種数値を記録。実測値なので誤差はあると思います。

フィルム面からレンズ先端まで:59.5mm

レンズマウント側(真鍮製の筒)の外径:47mm

取り出した時のレンズ全長(レンズ先端から真鍮筒端まで):55mm

 

購入するアダプターのためにマウント選定のために各マウントの仕様を見ていたらEF-Mマウントのマウント径、47mmでした。つまり
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ジャストサイズです。思わず笑ってしまいました。ということでこの段階で試写です。
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F1.9(開放)


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F4

画質いいなおい。フランジバックの関係で近接撮影しかできませんが画質の良さは実証できました。

ちなみにこのレンズについての補足ですが、元が全群繰り出し式のレンズなのでヘリコイドつきのマウントアダプターを使ってピント調整する方向です。絞りと絞り環については元のものをそのまま使用しています。レンズシャッターは撤去しています。

この状態では鏡筒から光漏れしまくっているので真鍮の板(0,1mm厚)をとりあえず巻き付けておきました。
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この状態で再び試写。っていうか撮るの楽しすぎる
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F2.8です。現代のレンズに引けを取らないほどの精細な描写です。開放の雰囲気も好きですけどね。

レンズをマウント部に押し付ければ富士でも普通に使えるのでこちらでも試し撮り。ちなみにこのレンズはXマウントに改造します。FUJINONレンズをFUJIFILMで使う、ロマンの塊ですね。

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こちらもF2.8です。画質のよさ、ボケ味ともにすごいです。

 

次にマウントアダプターにつけて無限遠を出せるようにレンズ全長を調整していきます。

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とりあえず切ってみました。金属用のノコギリで切ったのですが果てしなく時間かかりました。二度とやりたくないです。

これで無限遠が出せるようになったので軽く遠景も試してみます。

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F1.9開放

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F4

ここまでで分かっていたように遠景でも画質かなりいいです。開放でもピントに芯がある描写をします。F4まで絞れば文句ないですね。

 

実はここからが本番です。
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今回購入したのはKIPONのヘリコイドアダプターで、本来はライカRマウントをXマウントに変換するためのものですね。これを選定した理由はマウント径がレンズの外径に近かったからです。本当はFDマウントから変換するアダプターがよかったのですが在庫がなかったので……結論から言えばこの選定はミスなんですけどね。せめてFDにしておけばよかった

後学のためにメモしておくと、今回の場合大事なのはマウント径が最低でも50mmは確保されていること、フランジバックのなるべく短いマウントのマウントアダプターを使用することです。マウント径が小さいとレンズを埋め込むために壮絶な削りの作業が必要になってきます。またフランジバックの長いマウントのアダプターを使うとアダプターの全長が長くなるために機能が制限されるうえにこれまた削る作業量が圧倒的に増えます。今回の最適解はEFマウント用かヤシカコンタックスマウント用な気がします。

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とりあえずレンズ側の真鍮は邪魔だったので切ってしまいました。
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レンズ全長がまだまだ長すぎます。無限遠を出すためにはマウント面から43mm程度にしなければなりません。この時点であと15mmくらいあった気がします。
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取り払ってやったわ。まあこの状態からさらに5mmくらい削ることになるのですが。


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ということで3日くらいゴニョゴニョして完成!!!!!!!!

(ごめんなさい経過の写真撮り忘れました)

普通に接着剤見えてて萎えなので今度隠す何か買ってきます。段差も結構目立ちますしね。本当は溶接したい


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ボディに装着した様子がこちら。かっこいいです。個人的にはかなり好きな感じに仕上がりました。

これに関しては自分の加工技術が足りないのが原因なのですが、ヘリコイドの機構をこの長さに詰め込むのが不可能だったのでピント合わせはヘリコイドがレンズごと回ります。

 

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ということでワクワクしながら外に持ち出して試写です。もう詳しいことは言いませんが、きちんと写ることが確認できたので満足です。FUJINON 4.5cm F1.9、こいつは正真正銘の銘玉でした。

それにしてもここまで長かった…レンズを取り出し始めてから1週間経っています。検索してたどり着いた沼の住人の皆さんはレンズ改造RTAに挑戦してみてはいかがでしょうか。なおこの記事を参考にして被った損害について責任は負いかねますので悪しからず。いつかレンズ単体のレビューでも出そうと思います。